RPAを導入したらどうなるのか

仕事

RPAという単語が一般的に浸透してきて数年が経ち、実際に導入した企業も多いと思います。

また、これから導入しよう、もしくは導入しているけどイマイチ効果がわからないからどうしようか…という企業も多いのではないでしょうか。

なので、今回はRPAを導入したらどうなるのか、その導入のポイントについて書いてみようと思います。

RPAは万能ツールなのか?

RPAと聞いてパッと何を思い浮かべるでしょうか?業務改善、人件費削減、自動化…などなど思い浮かべると思います。「これまで人がやっていた業務をロボットにさせて楽しよう!」ということなのですが、これはある意味正解ですが、ある意味では不正解となります。

上記のように、仮にとある業務を自動化したい場合、何もRPAにこだわらずとも可能です。例えば何かしらその業務に特化したシステムを導入する、プログラム開発(Excelのマクロでもいい)して利用する、など手段はいくらでもあります。

ではなぜRPAが注目されているかというと、誰でも簡単に自動化(プログラム)できるよ!ということをうたっていることが多いからです。

難しいプログラミング言語を知らなくても、ITの専門知識がなくても実装ができる。なので、非システム部門でも導入でき、あまり専門性の高くない情シス部隊であっても運用までできる、というのが売りになります。

いわゆるローコードとかノーコードと言われたりしますが、これはこれで導入の敷居がグッと下がりとても良いことではあります。

しかし真の問題はここからです…。

導入がゴールになりがち

「RPAを導入する」こと自体がゴールになってしまう、もしくは「RPAを使って」業務改善を行う、というように、○○をするためにRPAを使うと決めてしまって検討することが非常に多い…。本来の目的と手段が逆になっているパターンですね。

もちろん全てがそうというわけではなく、しっかり検討した結果RPAが最適解となって導入することも多いですが、一部で上記のように「RPAを導入する」というキーワードが独り歩きし、「RPAを導入するからどこに適用できるか探す」という本末転倒な発想になることも少なくありません。

まぁとはいえ革新的なツールが登場した際に、自社の業務でどこに適用できるのか?を考えることは間違ってないし、むしろ正しいことと言えます。例えば最近流行りのChatGPTなど、ウワサでは非常に強力なので自社でも活用したい!と考えることもあるでしょう。

問題はそれで検討したときに、やっぱウチにはハマらないね、となって見送るか、または別のソリューションを検討するなどしない場合です。なんとしてもRPA導入!となってしまわないことが大事なポイントとなります。

RPAを検討したときに真に得られる価値あるもの

それでもRPA導入を進め、対象の業務を絞り出したとします。その際に必ず行うのが業務フローの棚卸しです。そしてこの業務フローの棚卸しこそが、RPA導入の真の目的と言っても過言ではありません。

企業規模に関係なく、意外と(?)業務フローは整理されていないことが非常に多いです。いろんなパターンが考えられますが、だいたい以下のような感じが多いかなと…

  1. 事業拡大や業務内容の変更により日々やり方が変わっていく
  2. 担当者が少人数制で属人化している
  3. イレギュラーが多くその場その場で判断しないといけない

以下に詳細を書いていきます。

1.やり方がどんどん変わる

中小企業とくにベンチャーにありがちですが、業務拡大や他部署・関係会社との連携など日々進化し、とある業務フローを常に変えながら行っているパターンです。これ自体は何も間違いではなく、むしろ日々求められる最適化を常に行っているとも言えます。

ではこのような場合、RPA化は不向きでしょうか?全くそんなことはありません!

やり方が変わるとはいえ、骨子の部分は変わらないかも知れないし、何よりRPA化できる部分を検討することで現状の業務フローをしっかり見える化することができます。

「ここは相手の企業によってやり方変わるんだよな」と言われる業務でも、じゃぁそのやり方を全て書き出せば良いのです。まぁ口では簡単に言えますが実際はたいへんなんだけども…。

そこで洗い出された業務フローを俯瞰して見ることで、RPA化ができようできるポイントが発見できるかも知れませんし、何より現状の業務の無駄な部分も見えてくるかも知れません。

2.業務が属人化している

これが最も有効なケースかも知れません。企業規模に関わらず、大企業でも担当者が固定でずっと変わらず、その人しか知らないいわゆる業務のブラックボックス化が発生していることも少なくありません。

そういった業務をしっかり棚卸しし、できればマニュアル化することで後継者育成や他の担当者をつけたりすることができるようになります。

まぁこれもわかっちゃいるけどなかなかできない事のひとつでして…なぜできないかと言うと、そういうことに時間を割いている余裕がないから。なので「RPA導入を検討する」プロジェクトにてしっかり(正式に)時間を取っていいんだよ、というふうにしてあげることが重要となります。

3.イレギュラーが多く定常化できない

確かにそういう業務もあるかも知れませんが、しっかり棚卸しすることでそうではない部分も見えてくるはずです。

例えば上記の1にも関係しますが、相手先によってやり方が変わる場合はそれを書き出せば良いし、イレギュラーとは言えパターン化はできるはずです。そもそもイレギュラーばかり発生するのであればそれ自体を是正できないか検討するなど、根が深い問題になります。

最終的に本当に人がしっかり判断しなければならない、だから自動化はできない、となってももちろんOKだと考えます。むしろそういう業務がはっきりわかればそこに人的リソースを割り当てるべきであり、かつ業務フローの棚卸しでパターン化することで誰が作業(判断)しても一定のクオリティを出せるようになります。

業務の棚卸しこそRPA導入の真髄

このようにRPA導入をきっかけにして既存の業務フローをしっかり棚卸しし見える化する、できればマニュアル化するということを真の目的にすると、あとあと良いことが多くあります。

まぁマニュアル化した際の次の課題は「マニュアルが更新されない(古いまま)」問題なのですが…これはまた別記事でいろいろ書いていきたいと思います。

ここで大事なのはRPA導入を検討するにあたって業務フローを棚卸しした結果、RPAに向かないことがわかったということも重要だと言うことです。

RPA導入することがゴールのプロジェクトの場合は”失敗”になりますが、真の業務改善、全体最適の目線では”成功”と言えます。なぜなら業務フローを棚卸しした結果、次の課題ポイントが見えてくるからです。

もしかしたらRPAではなく営業支援ツールの導入が良いかも知れないし、ちょっとExcelのフォーマットを変えるだけで大きく業務改善できるかも知れません。それぞれ業務フローを棚卸ししたことで部門間のつながりも見えるようになり、どういうデータをどのタイミングで一気通貫して連携していくかも検討できるようになります。

専門家に任せるのもあり

RPA自体はプログラマーとかシステム専門でなくとも導入することができる、ということがメリットとしてよく言われています。

しかしながら、これまで書いた通りRPAをしっかり使いこなすためにはツールそのものの使い方よりも、いかに業務に当てはめられるのか、変えて良い業務の見極め、前後の情報連携など見るべきポイントがいくつもあります

なので、それらを得意とするベンダーや専門家にアドバイスを依頼するのも成功の秘訣かも知れません。RPA自体は使いやすいことが多いので、考え方に慣れてきたら自社内で活用を進めていく…というステップもありかと思います。

RPAツールを導入するというコト自体をゴールにするのではなく、現状の業務フローを棚卸しし無駄な部分や繰り返しがないかどうか評価し、改善が必要な部分に対してRPAに限らず最適なツールを検討する、という考え方がオススメです!

とはいえ何から手を付けたら良いのかわからない…という場合、いつでも相談お待ちしております😎

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